「あー、また頭が痛い…」

誰もが経験したことがある頭痛。仕事中やリラックスしたい時にズキンズキンしたり、締め付けられるように痛んだりすると、本当に困りますよね。でも、どうして頭って痛くなるんでしょう?
今回は、そんな身近な頭痛の「なんで?」を、難しい言葉を使わずに、できるだけ分かりやすく解説します。頭痛に悩んでいる人も、そうでない人も、「へー、そうなんだ!」と思える発見があるかもしれません。一番最後には私がお勧めするセルフケアも記載しています。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
1. 頭のどこが痛いの?実は脳みそじゃない!
「頭が痛い」って言っても、実は脳みそ自体が痛いわけじゃないんです。脳みそには、ほとんど痛みを感じる神経がないんですね。じゃあ、どこで痛みを感じているんでしょう?
私たちの頭には、痛みに敏感なセンサーがたくさん隠れています。それは、主にこんなところです。
- 頭の骨を包む膜: 頭蓋骨の内側と外側にある薄い膜で、血管や神経がいっぱいです。
- 頭の中の血管: 脳に血液を送る動脈や、脳から血液を出す静脈の壁にも神経があります。血管が広がったり縮んだり、炎症が起きたりすると痛みます。
- 首や肩の筋肉: 首や肩の筋肉が緊張したり炎症を起こしたりすると、頭痛の原因になることがあります。
- 顔の神経(三叉神経など): 顔全体の感覚を伝える神経が刺激されると、頭痛として感じることがあります。
これらのセンサーが感じた「痛い!」という信号は、神経を通って脳に伝えられます。特に、顔の感覚を広く担当する三叉神経という大きな神経が、多くの頭痛に関わっています。脳がこの信号を受け取って、「あ、痛い!」と感じるわけです。
2. いろんな種類の頭痛がある!大きく分けて2つ
頭痛には、原因によって大きく2つのグループがあります。
2.1 ズキンズキン…「片頭痛」と、締め付けられる「緊張型頭痛」
一つ目は、頭痛そのものが病気であるグループです。代表的なものに、以下の3つがあります。
- 片頭痛: ドクンドクンと脈打つような、ズキズキとした激しい痛みが特徴です。吐き気や光、音に敏感になることもあります。女性に多く、ストレスやホルモンバランスの変化、特定の食べ物がきっかけになることも。
- 緊張型頭痛: 頭全体や後頭部がギューッと締め付けられるような、鈍い痛みが続きます。精神的なストレスや、長時間同じ姿勢でいることが原因になりやすいです。
- 群発頭痛: 目や目の奥に、耐えられないほどの激しい痛みが短時間で何度も起こります。目の充血や涙、鼻水などを伴うことも。比較的珍しい頭痛ですが、痛みが強いのが特徴です。
これらの頭痛は、脳の機能や神経の伝達物質、血管の動きなどが関係していると考えられていますが、まだ詳しいことは分かっていません。
2.2 他の病気が原因で起こる頭痛
二つ目は、脳や体の他の病気が原因で起こる頭痛です。中には、すぐに病院に行かないと危ないものもあります。
例えば、
- 脳の血管の病気: 脳出血やくも膜下出血、脳梗塞など
- 頭のケガ: 脳しんとうや頭蓋骨骨折など
- バイ菌の感染: 髄膜炎や脳炎など
- 脳の腫瘍: 脳にできた腫瘍
- 薬の副作用: 特定の薬を飲んだことによる頭痛
これらの頭痛は、いつもの頭痛とは違うことが多く、例えば、急に激しく痛くなったり、手足が動かしにくくなったり、意識がおかしくなったり、熱が出たりする場合は、すぐに病院へ行ってください。
3. 頭痛の隠れた原因?私たちの生活習慣
特に、さっきお話した「片頭痛」や「緊張型頭痛」は、一つの原因だけでなく、色々なことが重なって起こることが多いと考えられています。私たちの普段の生活の中に、頭痛の引き金になるものが隠れているかもしれません。
- ストレス: 仕事や人間関係の悩み、不安、緊張は、体のバランスを崩して頭痛につながることがあります。
- 疲れ: 長時間同じ姿勢でいたり、運動不足だったり、逆に激しい運動をしすぎたり、寝不足が続いたりすると、頭痛が起こりやすくなります。
- 生活リズムの乱れ: 食事の時間がバラバラだったり、カフェインやアルコールを摂りすぎたり、タバコを吸ったりすることも、頭痛の原因になることがあります。
- 環境の変化: 天気が急に変わったり、うるさい場所や強い光の中にいたり、香水や化学物質のにおいをかいだりすることも、頭痛のきっかけになることがあります。
- 女性ホルモン: 女性は、生理の周期や妊娠、更年期などでホルモンバランスが変わると、片頭痛が起こりやすくなることがあります。
- 食べ物: チーズやチョコレート、赤ワイン、ハムやソーセージなどの加工食品が、片頭痛の原因になる人もいます。
- 水分不足: 体の水分が足りなくなると、血液の流れが悪くなって頭痛が起こることがあります。
これらの原因は、人によって頭痛を引き起こすかどうかが違います。自分の頭痛がどんな時に起こりやすいかを知っておくと、対策が立てやすくなりますよ。
4. 頭の中で何が起こってる?頭痛の種類別のメカニズム
それでは、代表的な3つの頭痛、「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」では、頭の中でどんなことが起こっていると考えられているのでしょうか?
4.1 ズキンズキン!片頭痛の不思議な仕組み
昔は、片頭痛は脳の血管が縮んだり広がったりすることで起こると考えられていました。でも最近の研究では、もっと複雑なことが分かってきました。
片頭痛のときには、何かのきっかけで脳の神経の先から「炎症を起こす物質」が出てきます。この物質が、顔の感覚を伝える三叉神経を刺激します。刺激された三叉神経は、さらに血管の周りに炎症を起こす物質を出し、血管を広げます。この血管の広がりと周りの炎症が、ズキンズキンという痛みを引き起こすと考えられています。
また、片頭痛が起こるときには、脳の特定の場所(視床や脳幹など)の働きも少し変わっていることが分かっています。前兆がある片頭痛の場合には、脳の表面の神経細胞が興奮して、それが広がっていく現象が関係していると考えられています。
4.2 ギューッ!緊張型頭痛は筋肉と脳のサイン?
緊張型頭痛は、首や肩の筋肉が緊張することが大きな原因の一つと考えられています。長時間パソコンを使ったり、スマホを見続けたり、ストレスを感じたりすると、首や肩の筋肉がガチガチになりますよね。その緊張が頭の筋肉にも伝わって、締め付けられるような痛みになるのです。
でも最近では、筋肉の緊張だけでなく、脳の働きも関係しているかもしれないと言われています。痛みを抑える機能が弱くなったり、痛みに敏感になったりすることが、慢性的な緊張型頭痛に関わっている可能性があるのです。
4.3 目の奥がズキン!群発頭痛の謎
群発頭痛は、目の奥の激しい痛みに加えて、目が充血したり、涙が出たり、鼻水が出たり、まぶたが腫れたりするなどの症状が一緒に起こるのが特徴です。
群発頭痛の詳しい原因はまだよく分かっていませんが、脳の視床下部という場所の活動が異常になっていると考えられています。視床下部は、睡眠やホルモンの分泌、体のリズムなどを調整する大切な場所です。群発頭痛が、特定の時間帯や季節に起こりやすいこととも関係があるかもしれません。
また、三叉神経が活発になりすぎることと、体の色々な機能を調整する自律神経のバランスが崩れることも、群発頭痛の症状を引き起こすと考えられています。
5. 頭痛に負けない!今日からできること、病院での治療
つらい頭痛を少しでも軽くするために、日常生活でできることと、病院での治療についてご紹介します。
5.1 自分でできる頭痛対策
- 生活リズムを整える: 毎日同じ時間に寝て、バランスのいい食事をすることが、体の調子を整えて頭痛の予防になります。
- 適度な運動: ウォーキングやストレッチなどの軽い運動は、血行を良くしてストレス解消にもなります。ただし、激しい運動は頭痛のきっかけになることもあるので注意しましょう。
- ぐっすり眠る: 寝不足は頭痛の大敵です。寝る前にカフェインを摂ったり、スマホを見すぎたりするのは避けましょう。
- ストレスをためない: 自分なりのリラックス方法を見つけて、上手にストレスを解消しましょう。
- こまめに水分補給: 水分が足りなくなると頭痛が起こりやすいので、意識して水を飲むようにしましょう。
- 食事に気をつける: 頭痛のきっかけになりやすい食べ物を控え、バランスのいい食事を心がけましょう。
- 姿勢を良くする: 長時間同じ姿勢でいるのは避け、時々休憩して体を動かしましょう。
5.2 病院での治療
病院では、頭痛の種類や程度に合わせて色々な治療が行われます。
- 薬による治療:
- 痛みを止める薬: 痛くなった時に飲む薬で、片頭痛にはトリプタン製剤や痛み止めなどが使われます。緊張型頭痛にも痛み止めが使われます。
- 頭痛を予防する薬: 頭痛が起こる回数や程度を減らすために、毎日飲む薬です。片頭痛には、血圧を下げる薬やてんかんの薬などが使われることがあります。
- 薬を使わない治療:
- リハビリ: 首や肩の筋肉の緊張をほぐすストレッチやマッサージなどが行われます。
- 神経ブロック: 特定の神経に麻酔の注射をして、痛みを和らげます。
- ボトックス注射: 慢性的な片頭痛に対して、ボツリヌス菌の毒素を注射する治療法です。
- バイオフィードバック: 自分の体の反応(筋肉の緊張など)を意識的にコントロールして、頭痛を軽くする方法です。
- カウンセリング: ストレスへの対処法を学んだり、頭痛と向き合うための心理的なサポートを受けたりします。
- 整体サロン:頭蓋骨を調整できるサロンで痛みを和らげます。
市販の薬で我慢せずに、頭痛が続く場合やひどい場合は、必ず専門の先生に相談して、自分に合った治療を受けるようにしましょう。
6. まとめ:頭痛のメカニズムを知って、もっと楽に!
今回は、頭痛がどうして起こるのか、その仕組みを分かりやすく解説しました。頭痛は、色々な原因が複雑に絡み合って起こるものだということが、少しでも伝わったでしょうか?
今日からできる対策を試して、つらい頭痛に悩まされない毎日を送りましょう。もし、頭痛が良くならない場合は、遠慮せずに病院を受診してくださいね。専門の先生が、きっとあなたの力になってくれます。
7.筆者が頭痛の方と対面した時に教えるセルフケア
最後まで読んでいただきありがとうございます。上記の内容は頭痛を伴っている人は必ずしも読んでいるような内容になっている思います。
ここで筆者は何を伝えたいのかというと、頭痛が起こったときには頭のどこを触りますか?
ブログの冒頭部分に出てきた女性を思い出してほしいです。また自身が触る場所を考えてください。
それは、こめかみや眉間の部分ですよね。
そこには「蝶形骨」という骨があります。そこが動いていないことが頭痛も引き起こされる原因にもつながっていると考えています。

蝶形骨のセルフケア
①両耳に親指をいれます
②耳の穴に入れた親指を天井の方に向けます
③親指ー耳ー人差し指という形で掴めると思います
④耳をつかんだ状態で、真横に引っ張りながらやや後頭部の方へ誘導(八の字をイメージ)
⑤引っ張った状態で30秒間キープします
⑥30秒後、緩んできますので、再度、八の字の方へテンションかけます
⑦その状態で、30秒間キープし、合計1分間実施します。
これをするだけでも蝶形骨が楽になるため、頭痛が軽減します。試してみてください。
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