今の時代における衝動型（レッド）組織はギャングやマフィア
順応型（アンバー）組織はカトリック教会、軍隊、公立学校システムとなる。
達成型（オレンジ）組織は具現化した現代のグローバル企業である。
会社は組織の構造、慣行、文化が達成型パラダイムに導かれているはず。
達成型（オレンジ）組織は「イノベーション」、「説明責任」、「実力主義」が実現可能にした突破口となる。
「目標を達成してこそ意味がある」世界
「今年は売上を2倍にします」
「5キロ痩せて理想のスタイルを手に入れたい」
「英語をマスターして海外で活躍したい！」
こうした言葉に、あなたはどこかワクワクを感じませんか？
「努力すれば叶う」「やるか、やらないか」——
このような考え方は、ティール組織でいうところの**オレンジ段階（達成型）**の特徴です。
オレンジ段階とは？（ティール理論の文脈で）
ケン・ウィルバーのインテグラル理論に基づくと、オレンジ段階は次のような価値観を持っています：
- 科学的思考と合理性
- 個人の自由と自己責任
- 努力によって成功をつかむ
- 競争と成果重視
アンバー段階（ルール重視）を超えて、「自分の力で未来を切り開く」ことに重きを置いたフェーズです。
例え話①：出世を目指す若手社員
ある商社に入社した若手社員Aさん。
彼は毎日上司に頼まれていない報告書を自主的に作成し、先回りして顧客のニーズを調査。
「営業成績トップになって、30歳で課長になる！」という目標を胸に、
毎日を合理的に、戦略的に過ごしています。
このように、「自分の実力で成果を上げる」「競争の中で上に行く」価値観は、オレンジ段階そのものです。
オレンジ段階の魅力：自分の人生を切り開く力
オレンジ段階には、多くのメリットがあります。
- 目標に向かって努力することで、現実が変わる
- 他人任せではなく、自己責任で行動する
- 科学的・論理的に考える習慣が身につく
たとえば、ダイエットや資格取得、キャリアアップなど、
「やればできる」を実感できる体験は、達成型のエネルギーがあってこそ。
日常の中のオレンジ的な思考
以下のような場面でも、オレンジ段階の思考はよく見られます。
- 「時短家電で家事の効率を上げる」
- 「家計簿アプリで支出を最適化する」
- 「ToDoリストで1日を制覇する」
これらは全て「より成果を出すために、時間とエネルギーをどう配分するか」という視点です。
言い換えれば、“人生というプロジェクトのマネージャー”のようなものですね。
例え話②：家庭におけるオレンジ
共働きの夫婦が「いかに効率よく家事を分担するか」を話し合うとき、
お互いにGoogleカレンダーを共有し、ロボット掃除機と食洗機を導入する。
「短い時間で最大の成果を出そう」とする考え方は、まさにオレンジ段階の家庭運営です。
限界もある：燃え尽き症候群と比較癖
しかし、オレンジ段階には落とし穴もあります。
- 成果にばかり目を向けて、自分の感情を置き去りにしてしまう
- 常に他人と比べて、心が休まらない
- 失敗を「能力がない」と自己否定してしまう
SNSにあふれる「キラキラ投稿」に疲れたり、
「もっと頑張らなきゃ」と休むことに罪悪感を持ったりするのも、オレンジ的な影響かもしれません。
ケン・ウィルバーの視点：より深い発達へ
ケン・ウィルバーは、オレンジ段階を重要な成長ステップとしつつも、
その次のステージへの進化の必要性をこう語っています：
「人間の意識は、自己中心的から集団中心的、そして全体中心的へと進化していく」
つまり、自分の成果だけを追い続けることに限界を感じたとき、
次に目指すのは「共に創る」「分かち合う」段階（グリーン〜ティール）なのです。
オレンジ段階を健全に活かすには？
オレンジ段階の力はとてもパワフルですが、それだけにバランスが大切です。
- 達成したいことを明確にしつつ、心と体の声も聴く
- 成果を出す過程で、他人と比べすぎない
- 数字だけでなく「意味」や「価値」も大切にする
「できたかどうか」だけでなく、「なぜそれをしたいのか」を意識することが、次のステップへの鍵になります。
成功を目指す者は、どんなときも幸せのイメージを思い浮かべなければならない、というのが私の哲学だ。
映画「アメリカン・ビューティー」に出てくる不動産王バディー・ケーンの言葉
まとめ：オレンジは自立のステージ
オレンジ段階とは、「自分で考え、自分で行動し、自分で結果を出す」ステージ。
それはとてもエネルギッシュで、自立を確立するための大切な通過点です。
でも、人生をもっと豊かにしたいと願うなら、
やがて「人と比べずに、自分らしく生きる」ステージへ向かう必要があります。
それが、次のグリーン段階（多元型）の世界。
価値観は多様で、正解は一つではない——。
そこでは「共感」と「対話」が大きな力になります。
📎関連記事でさらに理解を深めよう！
| 段階 | 主な価値観 | エネルギーの使い方 |
|---|---|---|
| 無色 | 受動・在る | 何もしない、パラダイム |
| マゼンダ | 仲間・共同体 | 原点・非合理・かたち |
| レッド | 力・支配・衝動 | 突破力・決断・自己主張 |
| アンバー | 秩序・ルール | 安定・正しさ・服従 |
| オレンジ | 成果・自由 | 成功・目標達成・競争 |
| グリーン | 調和・共感 | 傾聴・つながり・対話 |
| ティール | 進化・統合 | 本質との共鳴・自然な流れ |
コメント