「衝動的」に動いてしまうのは、悪いこと?
私たちは日常の中で、ついカッとなったり、感情のままに言葉をぶつけてしまったりすることがあります。
「もっと冷静に考えればよかった」
「ちゃんと我慢しなきゃいけなかったのに…」
そんなふうに、自分の“衝動”を否定してはいませんか?
でも実は、その衝動こそが「生きる力」の源泉であり、私たちの中に眠る「レッドのエネルギー」なのです。
🔥レッド段階とは?ティール組織での位置づけ
ティール組織理論では、人や組織の意識は進化の段階をたどるとされます。
その中で「レッド」は、最も原始的な段階のひとつ。
別名「衝動型」とも呼ばれ、人間の本能や欲求に強く根ざした状態です。
🔍 レッド段階の特徴:
- 衝動的で今この瞬間に反応する行動様式
- 力を使って場をコントロールする傾向
- 支配−服従の明確な構造
- カリスマ的リーダーによる統率
- 短期的な成果や即時的満足への強い欲求
この段階は、組織でいえばギャング、マフィア、原始的な部族などに見られる構造です。
現代では、一部のトップダウン型企業や創業期のベンチャーなどにも見られる傾向があります。
⚡レッド段階が持つポジティブな力
“衝動的”“支配的”という言葉から、私たちはレッド段階をネガティブに捉えがちです。
でも、実際にはここには次のようなパワフルな側面があります。
✔︎ 1. 行動力
考えるより動く。
頭で計算する前に、本能的に一歩踏み出す突破力は、現代でもとても価値があります。
✔︎ 2. カリスマ性・リーダーシップ
「俺についてこい!」というような強烈な存在感と主導力。
場の空気を変え、人を巻き込む力。
✔︎ 3. 危機対応力・生存力
予期せぬトラブルや緊急事態で、素早く動ける。
迷わず動く姿勢は、チームや家族を守る力にもなります。
🧠 日常の中に潜む「レッド的ふるまい」
現代社会の中でも、私たちは無意識に「レッド的行動」をとっています。
💬 たとえばこんな場面:
- 危険から誰かを守ろうと、反射的に怒鳴ってしまう
- 会議で意見を押し通す、空気を読まずに発言する
- 「結果を出さなきゃ意味がない」と焦る
- SNSで即レス・即ブロックするような反応
こうした行動は、レッドのエネルギーが表に出た状態です。
そしてここで大切なのは、
その「衝動」を無理に抑え込まないことです。
💡 レッドのエネルギーを抑圧しないコツ
衝動は、悪者ではありません。
私たちが生きるために持って生まれた原始的な力です。
ただ、扱い方を誤ると、人を傷つけたり自分を疲弊させたりもします。
だからこそ、衝動を**「否定する」のではなく、「観察し、扱う」**ことが大切なのです。
🏃♀️レッドを活かす3つのヒント(実生活編)
① 衝動にラベルを貼る
「今、怒りが湧いてきたな」
「支配したくなってるな」と、内面を“実況中継”するように意識してみてください。
→ 衝動に巻き込まれず、少しだけ距離がとれます。
② 安全な場所で“放出”する
運動、ダンス、カラオケ、日記…
感情を健全に出せる習慣を持つことで、日常での暴走を防げます。
③ 主体的に「責任ある行動」を選ぶ
レッドのパワーを自分の内側に向け、
「自分がこの場を引っ張る」という意志を持って動いてみましょう。
→ 他人を支配するのではなく、“リーダーシップ”として発揮する方向へ。
🔁 他の段階との違いと、統合の必要性
レッドの次に来るのは「アンバー(順応型)」です。
ここでは秩序やルールが重視され、衝動を抑えて集団に合わせる力が育ちます。
つまり、レッド→アンバー→…と順に段階を統合していくことが、意識の成熟につながります。
けれど実は、大人になってもレッドが癒されず、心の奥に潜んでいることがよくあります。
それが、
- 突然怒りが爆発する
- 人をコントロールしないと気がすまない
- 失敗を恐れすぎて行動できない
…といった“アンバランス”の原因になっていることも。
🌱ティールに向かうには「レッドの癒し」がカギ
私たちが目指す「ティール」では、すべての段階を内側に統合した状態が理想です。
つまり、レッドのような原始的な衝動も、
- 否定するのではなく
- 抑圧するのでもなく
- 必要なときに、意識的に使えるようになること
それが、レッドを癒し、統合するということです。
🔁すべての人が「レッド」を通ってきた
レッド段階は、私たちがこの世界で自分の意志を持ち始めた“出発点”。
幼いころの「イヤ!」という自己主張。
思春期の反抗。
社会に出たての頃の、勢いだけでの行動。
それらすべてが、レッドの記憶です。
🔴 衝動は、あなたの行動の原点。
衝動は、本能のまま動き出す力。
だからこそ危険にも、パワフルにもなります。
そのエネルギーを「気づき」と「意図」を持って使うことで、
人生のあらゆる局面で、自分を動かす真のエンジンとなるのです。
ティールへの道のりは、まず“レッド”を抱きしめることから。
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