「ティール組織」って、どこから始まるの?
「ティール組織」と聞くと、多様性や自己組織化、進化型目的などのキーワードを思い浮かべる人が多いかもしれません。でも実は、その考え方は“人間の意識の発達”という土台の上に築かれたもの。
その発達の最初期に位置づけられているのが、「マゼンダ段階」です。
マゼンダ段階とは?
マゼンダは、組織論というより人間の発達段階のひとつです。
心理学者ジャン・ゲブサーやケン・ウィルバーの統合理論(インテグラル理論)、
そしてフレデリック・ラルーが著書『Reinventing Organizations』で展開した「組織の進化」では、
この段階を以下のように説明しています。
🔹特徴:
- 魔術的・神話的な世界観(自然や神、精霊とのつながり)
- 部族的な共同体意識(自分は“仲間”の一部)
- 長老や巫女などへの信頼(象徴的な存在)
- 儀式やルールによって秩序を守る
一見「原始的」、でも実は大切な感覚
マゼンダ段階は、数千年前の部族社会に多く見られる意識です。
だから現代の視点では「もう古い」「未熟」と見られがちかもしれません。
でも、この段階には私たちが現代で見失いがちな大切なものが詰まっています。
🌿現代にひそむ「マゼンダ意識」
実は、あなたの中にもマゼンダ的な感覚は今も生きています。
日常の中に、こんな形であらわれるのです。
① つながりが安心を生む
- 家族や地元の人といると、安心する
- 誰かと「一緒にいるだけ」で心が落ち着く
- 見知らぬ土地でも「誰かの紹介」があると急に安心する
これは、個人より“つながり”を重視するマゼンダ的感覚です。
② 「意味」はなくても“かたち”が大事
- 初詣やお墓参りなど、習慣的な儀式
- 試験前にお守りを握る
- ケーキを囲んでハッピーバースデーを歌う
これらは単なる“行動”ではなく、心の中の秩序や安心感を生み出す重要な儀式。
マゼンダ段階では、「行為の意味」よりも「決まったかたち」が安心を与えます。
③ 自然や“見えないもの”とのつながりを感じる
- 満月の夜に眠れない
- 植物や動物に語りかける
- 「流れが来てる気がする」と感じる
こうした感覚は、マゼンダ段階の**“世界は生きている”という魔術的な世界観**の名残です。
💡マゼンダ段階を否定しない、統合する
現代社会は、理性や論理、成果を重視する方向に大きく傾いています。
だからこそ、マゼンダ的な感覚は「非合理」や「幼稚」とみなされがちです。
でも、マゼンダは「過去の未熟な段階」ではなく、**人間としての基礎的な“感覚の土台”**なのです。
それは「人としての原点」にある感覚
- 誰かと“同じ空間を共有する”だけで満たされる感覚
- 意味がなくても“形だけでも続けたい”と思う儀式
- 言葉にできないけど「信じている」つながり
これらはすべて、マゼンダ的な世界に支えられた人間性です。
🧘♀️現代人がマゼンダを取り戻すためのヒント
マゼンダ的感性を日常に取り戻すことは、
「ただの懐古」ではなく、未来の持続可能な組織や生き方の基盤にもなります。
✔︎ 「ひとりで頑張りすぎない」ことを自分に許す
マゼンダ的な感覚は“共同体”に安心を感じます。
家族や仲間、信頼できる誰かと「一緒にいる」ことを恐れず、
頼ったり委ねたりすることを自分に許しましょう。
✔︎ 「形だけでもやる」ことの意味を再確認する
- 朝の挨拶
- 毎週のルーティン
- なんとなく続けている家族の習慣
これらは“非合理”に見えて、実はマゼンダ的安心の柱です。
✔︎ 「見えないつながり」に耳をすませる
SNSでのやり取りや、離れた場所の人の気配。
直接言葉にしなくても、感じられる“つながり”は確かに存在します。
それを否定せず、感じることを許してみましょう。
まとめ:マゼンダは“進化のスタート地点”
マゼンダ段階は、
- 原始的な共同体
- 見えない力への信頼
- 秩序やリズムをつくる“かたち”
など、**人間社会の“心のインフラ”**とも言える意識です。
これを切り捨ててしまうと、
個人主義や成果主義に偏り、どこかで人は疲弊してしまいます。
コメント