順応型(アンバー)

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順応型の意識が生まれた人類は、道具をほとんど使わなずに単純農法に依存していた部族社会から、農業、国家、文明、制度、官僚制、宗教団体の時代へと飛躍した。

この段階では、未来へ向けた計画を立てることができ、農業が発展可能となる。

植物を育てるには、今年の収穫物から種子を取って、来年に備えるという

「自己規律」と「将来を展望する力」が必要だと理解する。

これが紀元前四〇〇〇年のメソポタミアの時期にあたる。

順応型の意識段階に至るまでは、他人の目線で世界を観ていない。

順応型では他者が自分をどう見ているかも想像できる過程になっているため

自分のみたものと自分の役割をきちんと把握し、それが他者のもとは異なることが分かっている。

自分が属する社会集団に承認され、受け入れられ、そこからはじき出されないよう努力する。

集団の基準を自分の行動基準に取り込んで、自分は組織にうまく適合するような

正しい身なり

行動

発想

をしているかということばかり考えている。

思いやりと関心が自己から集団へ拡大される。しかし、それ以上にはいかないのだ!もしあなたが同集団のメンバー、つまり私の部族、私の神話、私のイデオロギーのメンバーなら、あなたも同じく「救われ」る。だが、もしあなたが異なる文化、異なる集団、異なる神に属していれば、あなたは呪われるわけだ。

ケン・ウィルバー

順応型の視点を持つと、それまでは衝動型パラダイムで物事を考えていた個人が自らを律し、自己抑制を働かせられるようになる。しかも人前だけではなく、個人的にもそれをできるようになる。

順応型社会には、何を行うにも、人々に受け入れられた正しい方法が一つあり、それに基づく単純なモラルがある。

正しい世界を成り立たせる不変の法則があって、物事は常に「正しい」か「正しくない」に分類される。正しいことをしていれば、現世でも来世でも報われる。間違ったことをしたり言ったりすると、罰せられるか集団から追い出される。そしてそのあとは苦しみを味わうことになる。

順応型組織は二つの点で運営方法に大きな進歩をもたらした。

1⃣組織は中長期で計画を立てられるようになった。

2⃣規模を拡大できる安定した組織構造を作れるようなった。

順応型組織は現在にも存在しており、

大半の政府機関

公立学校

宗教集団

軍隊などだ。

順応型組織の特徴① 長期的視点(安定したプロセス)

プロセスの発明が長期的な視点を持つことができた。

完成までに200年かかる大聖堂の建築や数千マイル離れた植民地に商業を根付かせる交易所のネットワークをつくりあげることといった長期プロジェクトに取り組める。

プロセスのおかげで、何かをするのに不可欠な知識はもはや特定の人に存在することなく組織の中に組み込まれ、数世代にわたって伝達される。

同じ役割なら、人員を入れ換えることもでき、組織のトップですら、継承プロセスが整備されれば代替わりが可能である。

順応型組織の特徴② 規模と安定(「正式」な階層)

正式な役割、固定的な階層、組織図によって、権力の安定がもたらされている。組織全体は堅固なピラミッド構造で、上意下達式の命令系統が正式に採用されている。

トップの決定事項が指揮命令系統を通じて下達され、微妙で精巧な統制メカニズムにとって代わられる。完全なルールの一覧ができあがり、コンプライアンスを担当するスタッフが、法や規則を十分にも持っていない人々に懲役処分や罰則を科す。

厳格な階層を保つには、指揮命令系統がはっきりとし、「正式な」プロセスが存在し、だれが何をするかを定めた明確なルールがなければならない。ピラミッドの底辺にいる兵士たちは命令に忠実に、疑問を差し挟むことなく整然と行進することが期待される。

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