「やりたいことはあるのに、気づけば1日が終わっている」「考えすぎて一歩が踏み出せない」──そんな感覚に心当たりはありませんか?情報があふれる現代、私たちの脳は休む間もなく働き続け、気づかぬうちに“処理疲れ”を起こしています。本記事では、脳科学の視点から「なぜ動けなくなるのか」「どうすれば行動できるようになるのか」を解説しつつ、“1日10分の無音時間”というセルフケア法をご紹介。脳のワーキングメモリ、前頭葉、マインドワンダリングといったメカニズムを交え、静かな時間が行動力と心の整理にどう役立つのかを紐解いていきます。
「情報過多の時代に、なぜ“動けなくなる”のか?」
● 目の前のToDoよりも、頭の中の“未処理”が多すぎる
現代人の1日の情報摂取量は、平安時代の一生分とも言われています。スマホ、SNS、メール、ニュース……情報が洪水のように流れ込み、脳は常に“処理”を求められる状態です。結果、頭の中はやるべきことでいっぱいに。
しかし──実際に「行動」できている人はごくわずかです。それはなぜか?
キーワードは**“ワーキングメモリの限界”**にあります。
● 脳の作業机「ワーキングメモリ」とその疲弊
ワーキングメモリとは、脳が一時的に情報を保持・操作する場所。よく「作業机」にたとえられます。机が狭ければ、資料は置けません。思考もまとまりません。現代人の脳は、机の上に「やるべきこと」「不安」「過去の後悔」「通知」「返信」などが常に散乱しており、思考のスペースがゼロの状態になっています。
つまり、「考えすぎて動けない」は、“脳の机が散らかりすぎている”状態なのです。
ToDoリストでは整理できない“脳の散らかり”
● 脳は“整理されていない情報”を嫌う
ToDoリストを作っても、やる気が出ない──そんな経験ありませんか?これは、ToDoリストが“行動の外枠”であり、“内面の処理”をしていないから。
脳が動き出すためには、「思考」「感情」「優先順位」が明確になっている必要があります。つまり、外側のリストではなく、内側の“脳内の棚”を整える必要があるのです。
● 書き出すことで脳は「未処理」を「処理済み」に変える
そこで役立つのが、手書きによる思考のアウトプット。特に、「モヤモヤしていること」「最近気になっていること」「やらなきゃと思っていること」をすべて紙に書き出すことで、脳はそれを「処理済み」と認識し、スペースが空いていきます。
おすすめは、ノートと万年筆を使った“思考の書き出し”。手書きの筆圧、インクの滑らかさが脳を落ち着かせ、感情や思考の解放につながります。

「無音時間」が脳を整えるワケ──“マインドワンダリング”の力
● 考えを整理するのに、無音は最高のツール
情報過多の時代に必要なのは、「静寂の時間」。ここで注目したいのが、**マインドワンダリング(心の漂流)**です。
これは、意図的に何も考えないことで、脳が勝手に情報を再整理し、創造力や問題解決力を高める状態のこと。無音の時間を取ることで、この“脳の自然な棚卸し”が始まります。
● 前頭葉を休ませる時間が必要
無音状態では、前頭葉(判断や意思決定を担う部位)が休息状態に入り、ストレスホルモンのコルチゾールも減少します。忙しい日常で常に働いている前頭葉を10分でも休ませることで、脳のリセットとエネルギーの回復が可能になります。
「1日10分」の“無音の習慣”を始めよう
● 実践方法:こんなふうにやってみよう
無音時間の作り方は簡単です。以下のルールを参考に、気軽に始めてみてください。
- スマホは機内モード(もしくは別室)
- BGMやTVなし
- 1人になれる環境を確保(車の中でもOK)
- ノートと万年筆を手元に置く(必要があれば書き出しを)
座って目を閉じてもいいし、外を無言で散歩してもいい。目的は“何も考えない”ことではなく、**“思考の流れに逆らわない時間”**を持つことです。
「考えすぎ」から「動ける自分」へ──行動脳を呼び起こす
無音時間で脳を整え、手書きで思考を整理すること。この2つの習慣が、“頭の散らかり”をリセットし、行動脳を呼び覚ます鍵になります。
さらに、行動を起こすには“小さな第一歩”が大切。たとえば:
- ノートに「今日やること」ではなく「やらないこと」を書く
- 万年筆で「今の気分」を3行だけ書く
- 「今日は何も進まなかった」と思っても、それを記録する
このように、“自分の脳の状態”に意識を向けること自体が、行動のスイッチになるのです。
【まとめ】
- 現代の「動けない」は情報の渋滞による脳の処理疲れ
- ToDoリストより、脳内の棚卸し(書き出し)が有効
- 無音時間が脳の自然整理=マインドワンダリングを促す
- 1日10分、静かな時間を持つことで前頭葉が休まり、行動力が戻ってくる
- ノートと万年筆で“思考”と“自分”を可視化する習慣を
【あなたへのひとこと】
「考えすぎて止まっている自分」を、責めないでください。あなたの脳が優秀すぎるだけ。今すぐ完璧にやろうとせず、“静かな時間を取る”という小さな一歩から始めてみませんか?
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