多元型(グリーン)

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前投稿している、達成型パラダイム(オレンジ)は順応型パラダイム(アンバー)の絶対的な善悪を「成果があるかないか」という基準に置き換える。

多元型(グリーン)の世界観は、この考え方もまだ単純すぎると考えている。

人生には成功か失敗か以上の意味がある。

多元型は人々の感情にきわめて敏感で、あらゆる考え方は等しく尊重されるべきであり

「公平」、「平等」、「調和」、「コミュニティー」、「協力」、「コンセンサス」

求めている。

この見方に基づいて自発的に動くには、だれとでも密接で協調的なつながりを築くよう努力しなければならい。

達成型(オレンジ)が世界中心的なスタンスを約束したのに対し、多元型(グリーン)はその約束をうまく利用したいと考える。

個人は古くからの決まり切った役割という監獄からだけではなく、世襲的な身分、社会階級、家父長制、組織化された宗教団体、そしてそのほかの組織構造を打倒しなければならない。

現代に生きる私たちは、これまで以上に生きる手段をいろいろ手に入れたが、生きる意味を見失っている。

ヴィクトール・フランクル

多元型組織の特徴① 権限の委譲

達成型組織の実力主義に基づく階層構造を残しているのだが、意思決定の大半を最前線の社員にまかせいている。社員たちは経営陣の承認を得ることなく重要な意思決定ができる。現場にいる人々は、圧倒的多数の小さな日々の問題に接している。だからこそ、専門家が現場からはるか彼方で組み立てるよりも、素晴らしいか行ける策を見つけられるはずだ。そういう信頼を寄せられている。

多元型組織の特徴② 価値観を重視する文化と心を揺さぶるような存在目的

強烈な文化が共有されていないと、権限移譲を前提とした組織をまとめるのは難しい。現場の最前線にいる社員ががんじがらめのルールではなく、組織で共有されているさまざまな価値観に包まれて、正しい判断をするものとして信頼される。リーダーが共有価値(シェアードバリュー)に心から従っているような多元型組織(グリーン)に入ると、従業員は自分たちが敬意をもって扱われていると感じ、権限を得て組織に貢献するという、驚くほど生き生きとした文化に出会うだろう。それが素晴らしい成果に繋がることも多い。価値観を重視する組織の業績は、同業他社を圧倒している。

文化は戦略を容易に打ち負かす。

ピーター・ドラッカー

多元型組織の特徴③ 多数のステークホルダーの視点を生かす

営利企業は、株主の視点で経営されるべきだ、と達成型パラダイムは考える。すなわち経営者の第一の義務は、株主の利益を最大化することだ、というのである。アダム・スミスの「見えざる手」は、投資家を最優先すというスタンスが、長期的にみればあらゆるステークホルダーの利益になることを説明するときによく引き合いに出される。

しかし、ステークホルダーをそのように階層化して考えるべきではない、と多元型(グリーン)組織は主張する。企業は投資家だけに責任を負うのではなく、経営者、従業員、顧客、サプライヤー、地域社会、社会全体、そして環境に対する責任も負っている。リーダーの役割は、相反するさまざまな条件を調整してすべてのステークホルダーを幸福にすることだととらえている。

指針となる比喩(メタファー)としての「家族」

達成型(オレンジ)パラダイムは組織を機械とみているが、ほとんどの多元型(グリーン)組織は自社を家族にたとえる。多元型組織のリーダーたちの発言に耳を傾けると、「家族」という言葉がそこかしこに聞こえる。「従業員は同じ家族の一員」「皆が一緒」「お互いに助け合う」「お互いのために存在している」といったように、口にしている。

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